ファウルプレイ1978年 ゴールディホーンの最上級コメディ1時間56分

『ファール・プレイ』(原題:Foul Play)は、1978年制作のアメリカのサスペンス・コメディ映画。ごく平凡な若い女性がヒッチハイカーを車に乗せたことから、次々に事件に捲き込まれていくというサスペンス。場所はサンフランシスコ。離婚したばかりの図書館司書グロリア(ゴールディ・ホーン)にいくつもの怪事件が降りかかり、怪しい男たちに追い回される。グロリア個人に降りかかる事件が、大きな陰謀の表出となってくる。警察の捜査が進んでくると、法王殺害計画が明らかになる。グロリアは事件を担当する刑事のトニー(チェビー・チェイス)と恋に落ちる。

あらすじ ネタバレあり

在サンフランシスコのカトリック大司教が帰宅し、自室に入りレコードをかける。戸棚を開けると、自分によく似た男が自分を見つめているのが鏡に映る。彼は素早く振り向くが、胸にナイフを刺され死亡した。

サンフランシスコに住んでいる、離婚したばかりで恋に臆病になっている図書館司書グロリア・マンディは、金門橋を見下ろす友人のパーティーに出席している時、ハンサムな若い男性トニーの姿を目にするが、彼はバーでつまずいて、飲み物を全てこぼしてしまい、折角の好感度を台無しにしてしまう。グロリアは女の友人と話した際、心を開いて新しい経験に踏み出すことを勧められる。

パーティ会場を後にして車で海沿いの道を帰宅中、グロリアは故障した車の隣に立っているボブ「スコッティ」スコットという男性を車に乗せる。彼女はその晩映画に一緒に行こうと言うスコッティの誘いを受け入れ、別れ際にスコッティは自分の節煙のためにタバコの箱を持って行ってくれと彼女に頼む。その時スコッティは彼女の知らないうちに、タバコの箱の中に未現像フィルムのロールを隠した。その夜、映画館のグロリアの席まで来たスコッティは重傷を負っており、グロリアに映画はどんな感じかと尋ねる。彼の血が彼女のポップコーンのカップに流れ込み、彼は「小人に気をつけろ・・・」との警告を彼女に残し事切れる。グロリアが劇場支配人に助けを求めている間に彼の遺体は雲散霧消しており、グロリアの説明を誰も信じない。帰宅後、彼女は年老いた隣人兼家主のヘネシー氏にその夜の出来事を話す。

翌日の勤務終了後、図書館内でグロリアは、アルビノ(白子症)のホワイティ・ジャクソンに襲われ、エーテルで眠らされそうになる。彼女は逃げ出し、独身男女が集まるバーに隠れ、そこで見知らぬ男、スタンリー・ティベッツに彼の家に連れて行って貰うように頼む。女好きの英国人のスタンリーは、彼女がセックスを求めているのだと思い込み、自宅到着後、催淫剤を混ぜたカクテルを作り、ビージーズの曲をかけ、卑猥な器具類を開陳する。

ティベッツの誤解にショックを受け、自分のアパートに逃げ帰ると、今度は顔に傷のある男に襲われ、スコッティから預かったタバコの箱を要求される。彼がスカーフで彼女の首を絞めようとしたとき、グロリアは咄嗟に編み針で彼の腹を刺し、警察に助けを求めた。男が彼女を止めようとしたとき、台所の窓から突然顔を出したホワイティが投げたナイフで彼は殺され、グロリアはショックで気を失う。彼女が目を覚ますと、事件の痕跡は全て消えており、サンフランシスコ警察のトニー・カールソン警部補と「ファーギー」ファーガソン警部、更には家主のヘネシー氏さえも、グロリアの説明を信じない。

グロリアは、以前ホワイティが乗っているのを見たリムジンの運転手ターク・ファーナムに誘拐されそうになるが、友人で図書館職員のステラから貰った防犯スプレーと「メリケンサック」を使い何とか難を逃れる。その後の調査の結果、トニーは、ある夜に市内で著名人の暗殺が起こるという情報を得たサンフランシスコ市警の潜入捜査官スコッティが、殺し屋のルパート・スティルツキン(暗号名「小人」)を捜査していたことが判明する。グロリアを殺人者から守るよう命じられたトニーは、グロリアを自分のボートハウスに連れて行き、そこで2人は恋に落ちる。

トニーとファーギーは、件のリムジンがサンフランシスコ大司教区のものとして登録されていることを知り、ソーンクレスト大司教の事務所を訪れるが、この大司教は本当は双子の弟チャーリーであり、チャーリーはサンフランシスコを訪れる予定である教皇ピウス13世の暗殺計画に関与していて、大司教になりすますために兄を殺害したのだった。翌日、ルパートはファーギーを誘拐し、グロリアを誘き出すために彼を利用する。彼女は何とか近くのマッサージパーラーに逃げ込むが、そこで客として来ていたスタンリーに再び遭遇する。その後、ホワイティとスティルツキンが彼女を見つけて連れ去る。

グロリアの依頼で、ステラは「教会課税同盟」として知られる組織を調査し、その組織がデリア・ダロウとその夫によって設立された過激な傍流グループであることを発見した。ダロウ夫妻にとっての組織宗教とは、数十億ドル規模の大企業が支援する腐敗した貪欲なインチキに過ぎない。ステラは調査結果をトニーに報告し、トニーはヘネシー氏と共に大司教の邸宅に戻る。地下のワインセラーに忍び込んだトニーは、拘束されているファーギーを発見し、その夜、サンフランシスコ・オペラハウスでの『ミカド』の公演中に、ダロウ夫妻がスティルツキンに教皇を暗殺させるということを知らされる。トニーはルパートに襲われ、正当防衛としてワインの棚を倒し彼を殺すが、偽の大司教補佐ゲルダ・キャズウェル(本当はデリア・ダロウ)がトニーとグロリアに銃を突きつける。

ダロウはその後、法王を殺すための「緊急時対応計画」について詳しく説明する。第1幕の終わりに法王が死んでいない場合、ホワイティ・ジャクソンは会場の2つのオルガン室のうちの1つから狙撃する(「法王がいきなり席を立ったり、警察が到着するような場合も彼は狙撃する)」とダローは説明する)。その後、隠れていたヘネシー氏が素手の決闘でチャーリーとデリアを倒す。その後、トニーとグロリアは車でオペラハウスへ向かうが、途中で色々と問題を起こしてしまう(新装開店営業中のイタリアンレストランに突入したり、日本人旅行者の老夫妻が乗る空港リムジンを乗っ取ったりする)。ステージ裏にたどり着いたグロリアはジャクソンに捕まり、ジャクソンは警備員数名の内の1人を殺害する。グロリアはジャクソンを倒そうとするが、逆に床に押し倒されてしまう。しかしこれにより、トニーはジャクソンを射殺するチャンスが生まれ、法王殺害計画は無事に阻止される。死んだジャクソンが梁から落下すると、ロープに絡まり、レバーが作動して、大きな英国船ピナフォア号がステージ上に下がってくるが、これは作品上想定されていないことである。公演が終わり、グロリアとトニーが、死んだジャクソンと警備員の遺体と共に舞台上に残されるが、法王は異変に気づかない体で、出演者、オーケストラ、そして指揮者に拍手を送った。そしてその指揮者とは外ならぬスタンリー・ティベッツだったのだ。

登場人物(味方)

グロリア・モンディー

サンフランシスコに住んでいる、離婚したばかりで恋に臆病になっている図書館司書。平凡な日常を暮らしているが、友人にもっと積極的に新しパートナーを探すことを勧められている。ヒッチハイクの男を拾ってから、いくつもの怪事件が降りかかる。(ゴールディ・ホーン)

トニー・カールソン

サンフランシスコ市警の刑事。ボートハウスに住んでいる。友人のパーティーでグロリアに話しかけようとするが、バーでつまずいて、飲み物を全てこぼしてしまい、折角の好感度を台無しにしてしまう。(チェビー・チェイス) 

スタンリー・ティベッツ 指揮者

女好きの英国人。グロリアがバーで知り合った変態癖のある金持ち。スタンリーの勘違いでグロリアを自分の部屋に誘い、追ってから匿ってくれる。違法の風俗店に通っていることで、警察から追われていると思っている。実はオペラ座歌劇のオーケストラの指揮者。(ダドリー・ムーア)

ミスター・ヘネシー大家

グロリアの住むアパートの家主であり1階の住人。黒帯の空手の達人で、後半に敵と戦い活躍する。善良な隣人でグロリアの良き相談相手。ヘネシーは「エズミー」と言う名前のニシキヘビを飼っており、グロリアにも慣れている。(バージェス・メレディス)

ステラ図書館の友人

グロリアの親友で図書館の事務員。近く結婚する予定でグロリアは結婚式に出席する。グロリアに頼まれ「教会課税同盟」として知られる組織を調査し、その組織が過激革命グループであることを突き止めた。(マリリン・ソコル)

「ファーギー」ファーガソン警部

トニーの相棒でサンフランシスコ市警の警部。正義感のある善良な警官。犯行グループはファーギーを誘拐し、グロリアを誘き出すために彼を利用する。

マッキューン 小人のセールスマン

図書館やグロリアの家に、マッキューンという聖書の訪問販売員が訪ねてくる。彼は身長が低いので、グロリアはスコットの言う悪人グループの「ドワーフ小人」と間違えて暴行を加え怪我をさせてしまう。(ビリー・バーティ:アメリカの映画俳優。著名な小人症の人)

登場人物(悪人)

スコッティ タバコ箱の男

暗殺グループに習われている男。グロリアは故障した車の隣に立っているボブ「スコッティ」スコットという男性を車に乗せる。彼女はその晩映画に一緒に行こうと言うスコッティの誘いを受けた。映画館でグロリアの隣に座るが、血を流していてそのまま死亡する。グロリアは映画館の館長に助けを求めるが、死体が消えてしまう。(ブルース・ソロモン)

ホワイティ・ジャクソン 白子

不気味な雰囲気なアルビノ(白子症)で殺人鬼の男。いつも白いスーツを着ている。グループのボス小人の手下。グロリアを執拗に追いかけ、追い詰めて殺そうとする。オペラハウスでトニーと銃撃戦になり、打たれて転落し歌劇の大道具に引っ掛かり死亡する。

スカーティ 顔に傷のある男

顔に傷のある男がグロリアを襲い、スコッティから預かったタバコの箱を要求される。彼がスカーフで彼女の首を絞めようとしたとき、グロリアは咄嗟に編み針で彼の腹を刺したが、彼の死体は消えてしまう。(ドン・カルファ、プラプラ・フィスフィスの米TVCMの人)

サンフランシスコ大司教

サンフランシスコのカトリック大司教。大司教は双子で、本当の大司教は殺され、現在は弟の偽物に入れ替わっている。弟はカソリックを否定しており法王殺害計画を企てている一味であった。大司教は大司教補佐(ゲルダ)の部下。(ユージーン・ローチ)

ゲルダ・キャズウェル 大司教補佐

偽の大司教補佐ゲルダ・キャズウェル(本当はデリア・ダロウ)で実質の大ボス。ゲルダは大司教宅でトニーとグロリアに銃を突きつけ捕まえる。ミスター・ヘネシーが助けに入り、ゲルダと空手で戦いになる。ゲルダは女だが空手使いで手ごわいが、最終的にミスター・ヘネシーに打ちのめされる。

スティルツキン 小人

グループのボスで殺し屋のルパート・スティルツキン。暗号名は「小人」。トニーとの銃撃戦の末、大司教宅の地下室でワインセラーを倒されて下敷きになり死亡する。(マーク・ローレンス)

プロット

ヒッチハイクの男スコットを乗せる

グロリアは野外パーティである男性(刑事のトニー)を見かける。その男性が話しかけてくる。グロリアも「ちょっといいな」と思うが、そこでは何もなく別れて車で帰路に着く。

途中の海辺の道で、車が故障して止まっているのに遭遇。男性を乗せる。スコット(ブルース・ソロモン)。スコットに対しても「ちょっといいな」と思い、メガネを外して運転する。スコットと午後八時に映画に行く約束をするが、フィルムが入ったタバコの箱を預かる。しかし後ろから車がつけているようである。街に到着してスコットは降りる。

映画館の前で待っていたが、現れないので先に中に入る。しばらくするとスコットが隣に座る。しかし「小人に注意しろ」と言った後、スコットは倒れる。血だらけ。慌てて管理室に知らせて戻ってみると、なんと死体がない。警察も知らん顔である。

同じアパートのヘネシー(バージェス・メレディス)に事情を話しても「冗談だ」と相手にされない。

昼休みに図書館の同僚のステラ(マリリン・ソコル)に話すと「簡単に男を信用しちゃダメ、危険がいっぱいなのよ」とこんこんと説教される。

ステラは持っているスクリーマー、スプレー、パンチパワーを見せる。昼休みから戻ると「誰かが訪ねてきた」とのこと。注、後述のマッキューン。

図書館でホワイティに襲われる

その日はグロリアが当番で、閉館後に点検してライトを消していたが、突然白い肌の男ホワイティ・ジャクソン(ウィリアム・フランクファーザー)が現れ襲われた。不気味な雰囲気である。

慌てて逃げ出しパブに逃げ込む、さらにジャクソンが追ってくるので、そこにいた知らない男性スタンリー(ダドリー・ムーア)に「送って」と頼み、彼が泊っている部屋に入る。

スタンリーは、グロリアのことを「自分に気がある」と誤解したようで、またちょっとばかり変態だが、グロリアに危害を加えるわけではない。

ジャクソンが、外をうろうろしていたが、無事に自分のアパートに到着した。

「顔に傷がある男」に襲われる

いやいや無事ではなかった。まずドアのカギが開いている。用心しながら中に入ると、また別の怪しい男がいる。いかにも悪人であるかのごとく顔に傷がある。Scarface(Don Calfa)と表示されており、名前は明らかにされない。「預かったものを渡せ」。

首を絞められる。が、そばにあった編み物針を取って男を突き刺す。男は倒れる。

警察に通報していると、男は起き上がって再びグロリアに迫ってくる。

しかしそこでナイフが飛んできて男は倒れる。ジャクソンが前に立って見ている。グロリアは気を失った。

気がつくと野外パーティで見かけた男性が見ている。刑事とのこと。トニー・カールソン(チェビー・チェイス)。部下のファーギー(ブライアン・デネヒー)、ヘネシーもいる。

だがしかし男の死体が消えている。また誰からも信用されない。だがしかしトニーとデートするという成果があった。

ホワイティに誘拐される

ステラは「みんな、狙いはあなたの体なのよ」と言い、先日の三点セットを渡された。「これなしじゃ、壊されるのを待っている電球よ」。

外に出たところ、黒い車のそばにいたジャクソンに口をふさがれて誘拐された。

気がつくと部屋の中で倒れている。ドアはカギがかかっている。鍵穴から覗くと監視役の男。

スクリーマーを鳴らし、入ってきたところをスプレーをかけて、パンチパワーで殴り倒した。窓から逃げ出し、若干の展開の後、トニーのところに行った。

今度はトニーはグロリアの話を信用する。グロリアは、車のナンバーと誘拐された場所をトニーに報告した。

「小人」の犯罪計画

トニーが誘拐事件の場所を調べるとグロリアの靴が見つかり、また部下が「部屋を借りていたのはスティルツキン(マーク・ローレンス)」と報告。聞いたことがある名前である。

署で調べるとニックネームは「小人」。「小人」は今回の犯罪のボスの呼び名で、実際の小人ではない。そして木曜日の夜に犯罪計画があるらしい。
■ 蛇足
図書館やグロリアの家に、マッキューン(ビリー・パーティ)という聖書の訪問販売員が訪ねてくる。彼は身長が低いので、グロリアはスコットの言う「小人」だと誤解し、ひっぱたいてグロリアの部屋から突き落とす。病院に入院する。

トニーはジャクソンとスティルツキンの写真を見せて説明する。傷の男は仲間を裏切ってスコッティに情報を渡した。そこで一味はスコッティと傷の男を襲った。

グロリアを誘拐した時に使用された車も分かった。なんとサンフランシスコの大司教(ユージーン・ローチ)の車である。

三人で大司教のところに行くと女性がでてきて応対する。ゲルダ・カズウェル(レイチェル・ロバーツ)。大司教によると「車が盗まれた」とのこと。
三人が帰るとジャクソンやスティルツキンが現れる。そして実はカズウェルがグループのボスである。大司教はペコペコしている。

この後、トニーとグロリアは、トニーの家に行って泊まる。グロリアはまたもや嬉しそう。
グロリアにファーギーから「トニーが待ってる」と呼び出しの電話がかかったので出かける。しかし我々にはファーギーが拉致されていて偽装電話であることが分かっている。

グロリアが訪れたところ、襲われたので傘で殴って逃げ出す。ある風俗部屋に逃げ込むが、いたのは例のスタンリー。
「警察に連絡して」と言うとスタンリーが外に出る。ジャクソンがドアを開けてきたので逃げ出す。しかし結局捕まってしまう。

トニーは署でカズウェルの写真と経歴を手に入れた。逮捕歴もある。そこでステラから、グロリアが依頼していた「教会連盟」の資料を受け取るが「グロリアがあなたに会いに行った」と言われる。罠にかかった。

教会連盟の企み

ヘネシーと一緒に大司教の家に急ぐ。ヘネシーははたから見ていると老いぼれだが、本人によれば空手の黒帯だそうである。

トニーが大司教の家の地下に侵入し囚われているファーギーを発見。ファーギーによると今夜オペラ座でローマ法王の暗殺計画がある、

大司教は実は偽物で、大司教の双子の弟である。注、本作の冒頭で本物の大司教は殺される。

ここでスティルツキンが現れて銃撃戦となる。スティルツキンを倒したところで、カズウェルがグロリアに拳銃を突きつけて現れる。

トニーは拳銃を捨てて、二人は縛られる。すでにジャクソンはオペラ座に出かけている。

しかしここでヘネシーが突入。花瓶を投げて大司教(の偽者)を倒し、カズウェルとの決闘となる。

カズウェルも空手ができてけっこう強そう。なんとかヘネシーが勝つ。ヘネシーは二人のロープを外す。

オペラ座での襲撃

トニーとグロリアは車で会場に急ぐ。時間が迫っている。この部分が店に飛び込んだり、衝突したり、乗り換えたりとわりと(無駄に)長い。

なぜグロリアが同行するかと言えば、本作の主人公がグロリアだから。それと最後にジャクソンの人質となる役割がある。

オペラ座に到着し警官隊と一緒に突入する。

音楽について

「愛に生きる二人」バリー・マニロウ

オープニングでバリーの歌う主題歌「愛に生きる二人」が流れた後、ゴールディー・ホーンが口ずさむのは有名です。その前のパーティーのシーンでもピアノでそのメロディーが流れていました。

作詞作曲は“やさしく歌って / Killing Me Softly with His Song”のノーマン・ギンベル(作詞)チャールズ・フォックス(作曲)の作品です。
内容は「殻に閉じこもって、敷かれた線路に従って、何もせず、何も起きずに平穏に暮らしていた自分に、”何か”を気づかせてくれた彼女が去って初めて失ったものの大きさに気づいた」という感じの歌です。」そんな「何か」のニュアンスが”doin’ okay but not very well” そして”all very nice but not very good”に出てていますね。

オペレッタ「ミカド」

映画にイントロから最後の場面まで「ミカド」のオペラ曲が使われています。大司教が殺されるシーンではとても印象的でした。素晴らしい音楽とともに、これから始まるミステリーのわくわっくさが伝わってきました。

1885年、ロンドンのナイツブリッジで日本の風俗文物を見世物とした日本展(ジャパン・ビレッジ)が人気を博し、イギリスでは空前の日本ブームが起きていました。日本風の登場人物たちが巻き起こすドタバタ喜劇を通して当時のイギリス政府を風刺した『ミカド』はこのブームに乗じた作品で、一種のジャポニスムまたはオリエンタリズムでした。初演後2年間のロングランになりましたが、内容があまりにも日本の天皇を笑い者にしているとして、駐英日本大使が上演差し止めを試みたが成功しませんでした。世界各地で大評判の演目となり、このヒットにより、Mikadoという単語が日本の代名詞として広まりました。
「ザ・ミカド」が物議をかもしたのは、当時が初めてではありません。2004年にはニューヨークで、2007年にはロサンゼルスで、2011年にはオースティンで、そして2014年にはシアトルで、同じく「ザ・ミカド」の公演に対する抗議運動が起こっています。シアトルの模様は全米ニュースにとりあげられて注目を集めました。

差別的でないことを表す言葉を、アメリカでは「政治的に正しい」=「ポリティカリー・コレクト(Politically Correct)」と言います。今では、多様な人種や文化が混在するアメリカのメディアは、PCの厳しい水準を持っています。この作品は音楽的、ストーリ的には高度なのですが、日本人にとってはちょっと微妙なオペラです。また映画で出てくる「小人」「白子」は、言葉も含めて現在ではPC的に問題ありで、今後の映画では使えないかもしれませんね。

みなさんの感想

楽しいラブコメ・サスペンス

なんと2022年2月8日にアメリカでもようやくBD発売が決定しました。
なんとその10日後に日本でも発売。値段もほぼ同じ。ただし、これまでのDVD版と同様日本語吹き替えは無し。最近知ったのですが、吹き替えが入ると値段がぐっと上がるらしいのでいいんだか悪いんだか、悩むところです。

映画自体は通しで数年ぶりに見直すことになったのですが、もちろん時代が変わって初公開時のときのように爆笑の連続(当時、田舎の映画館でもドッカンドッカン笑いが起きていた)というわけにはいきませんが、笑いと可愛らしさと、ドキドキがあり、アーティスティックで、実に「楽しい」映画であることが再認識できました。具体的には
・チェビーチェイスのドジっぶり(ヒロインとの出会いでグラスをドミノ倒ししていくとこは神芸)
・ダドリームーアの変態ぶり(だからこそのラストの正体ばれがまた笑える)
・ゴールディーホーンとその衣装・小道具の可愛らしさ。でも個人的にはびしょ濡れ真っ黒になるシーンも良きかな。
・ヒッチコックばりのドキドキ、サスペンス・スリラー風味も◎
・別の意味で危険なw脱力系カンフーを披露する高齢者二人を、助ける気ゼロで眺めるチェビーチェイス
・オープニングクレジットのヘリからの美しい俯瞰映像に歌バリーマニロウ、作詞作曲はネスカフェのCMで有名だった「やさしく歌って」のコンビが担当。そりゃ名曲にならないわけがない。
・そのテーマ曲以外でもチャールズ・フォックスのinstrumental曲がまた良い。
・他にもステイン・アライブ、コパカバーナ、オペラ「ミカド」の歌曲がシーンを盛り上げる
・楽しいエンドクレジット

ただ、画質はグッとアップした感じはありません。この時代の映画だと仕方ないのでしょうか。
しかし、プロジェクターの大きなスクリーンで見る方にとってはDVDのぼやけた感じは減り、字幕が壮絶シャープになっているので、ブルーレイへの買い換えをお勧めします。

しかし、ブルーレイにする最大の価値は、なんといってもサウンドです。DVDの圧縮音声からロスレスのDTS-HD MA5.1になり、ほんとクリアになりました。セリフが非常に聞き取りやすいです。当然、音楽が大切な位置を占めるこの映画ですから、満足感も間違いなくアップです。ちなみにオープニングで「愛に生きる二人」が流れた後、ゴールディー・ホーンが口ずさむのは有名ですが、皆さんはその前のパーティーのシーンでもピアノでそのメロディーが流れていたのはご存じでしたでしょうか? 私はブルーレイで観て初めて気がつきました。

5.2.2chのアップミックスdolby surround/Neural Xで聴いたのですが、音楽が少し上側に上がり、映画館のような拡がりを感じて実に心地よい音響が楽しめます。MIKADOのオペラ曲もローマ教皇と同じように満足できましたw。米国のサイトでも音響に関して評価が高かったです。

映画のカラーが黄色なので、気分を明るくしてくれる、「楽しい」という言葉がぴったりの実に上質な映画です。最近の映画を期待しているとあれですが、一昔前のちょっと古い、楽しい映画がお好きな人にはたまりませんよ。私にとっては、気分が落ち込んだときに観るまさに清涼剤のような存在です。オススメ。

昼の洋画劇場で観ました

何週か遅れの昼の洋画劇場で観ました。とても面白かったと記憶していて今の時代 DVD 化されているのなら 是非、 購入したいと検索。 だが その時には まだ未 DVD 化。

ガッカリしてましたが その後 めでたく DVD 化。 勿論 速攻購入。 嬉しかったですねぇ〜。 大体のストーリーは 憶えてました。 特に私にとってツボだった ダドリーが登場するシーンは 鮮明に憶えていた (笑) 面白過ぎる。 ゴールディーのキュートさは 感動モノ。 チェヴィーのトボけた刑事も良い。 「 ロッキー 」 シリーズのトレーナー役で有名なバージェス・メレディスも脇役ながらイイ味出してます。 この上なくハマったキャスティング。

劇中に主人公のグロリア ( ゴールディー ) が 誘拐され 雨の中 逃げ出すシーンが あるのですが 初めて観た時 雨に濡れたゴールディーのセクシーさに ドキドキしました。 基本 巻き込まれ型のサスペンスですが コメディ・タッチでもあり ヒッチコック的な展開も見せる楽しい作品です。 出演している この3人の顔合わせで 面白くないワケがない。 キャストも内容も最高ですが バリーの歌う主題歌が これまた最高に良い曲。 当時 TV を 観終わって すぐにレコード屋さんに走り この曲のシングル・レコードを 注文しました。 聴きましたねぇ〜 c/w が コパカバーナ Copacabana( At The Copa ) で この曲も大好きでした。 劇中でも少し流れてきます。 主題歌は 美しいメロディーのバラード。 映画のオープニングで ほぼフルコーラス聴けます。 レコードとは ヴァージョンが違いますけど。 ホント、 名曲。 私は よくカラオケで歌います。 当時のポップ・チャートでは 11 位を 記録。 個人的には 1位に なっても おかしくなかった楽曲だと思っています。 因みに コパカバーナは 8位。 この作品が公開された当時 世間は 空前のディスコ・ブーム。 なので 私の大好きなシーンで ビージーズの 「 ステイン・アライヴ 」 が 聴けます。 ダドリー扮するスタンリーの部屋でガンガン流れてます (笑)  グロリアがヒッチハイクの男を 車に乗せた事から 事件に巻き込まれトラブルの連続。 彼女に対して半信半疑な刑事のトニー ( チェヴィー ) と 共に事件の真相に迫るが 事件は 意外な方向へと転がっていく・・・  グロリアとトニーの恋の行方も気になるところ。 とにかく この映画は 私にとって すごく大切な作品です。 スリルと笑いと感動の1枚です !

コメディ+ヒッチコック

コメディ・タッチのサスペンスに、ゴールディ・ホーンの演技が映えています。ヒッチコックのパロディ満載と宣伝文句で謳われています。実際、ヒロインの巻き込まれ型サスペンスというストーリーの骨子、最後のほうの大団円の舞台、カメラワークなど、いろいろな点で、ヒッチコック・オマージュになっています。
しかし、この映画の良さは、ゴールディ・ホーン演じる主人公が、悪漢から逃げながらも、離婚による失意から再起していくという、ポジティブな部分にもあると思います。刑事役のチェヴィー・チェイスら、助演俳優陣も良い味を出していると思います。バリー・マニロウの主題歌も主人公の心情に沿うもので、そのためか、忘れがたい印象を残します。
このブルーレイの宣伝文句には「カルト的名作」という語がありますが、ドタバタの部分ばかりでなく、サスペンスやヒロインの心情の変化などもうまくミックスされていて、自分にとっては、あえて言えばさわやかさも感じる、全体のバランスがとても良い作品です。いつまでも、ふつうに「佳作」であってほしいと思います。星4つにしたのは、古い作品なので、今の時代の映画の切れの良い演出とは、少し違うためです。自分にとっては星5つです。
2022年発売のブルーレイディスクは、2011年発売のDVDと比べて、画質の向上はほとんどないようですが、音声でDTS-HDマスターオーディオが加わっていて、これは音の深みが増しています。
ヒロインの巻き込まれ型サスペンスでヒッチコック・オマージュという点が似ている映画に、「恋にあこがれて in N.Y.」(モニカ・ポッター主演)があります。DVDの値段にもよりますが、こちらもおすすめです。

何度見ても楽しい映画

Blu-rayでになり基本的に解像度は向上していますが、数ヶ所でぼんやりした場面がはさまっていて、これは、撮影当時の素材に問題があったかで、他の同時代の作品のBlu-rayにも度々見受けられる現象なので、今の修繕技術では、どうしようもない部分もあるのかも?画角ですが、DVDはクレジット箇所になると、何故か額縁画角に切り替わっていましたが、Blu-rayではそのような切り替わりはなく、ずーっと「16:9/ビスタ」のままなので、見やすくもなっています。

翻訳者はDVD同様に柴田香代子さんの訳を採用なさってますが、一部修正が成されていて、例えば冒頭、大司教が帰宅し、家政婦のミセス・ラッセルと交わす台詞ですが、以下のように微妙な違いがありました。
■DVD■
ミセス・ラッセル「お帰りなさい」
ミセス・ラッセル「すてきだわ」
■Blu-ray■
ミセス・ラッセル「おかえりなさい」
ミセス・ラッセル「すてきですわ」

たぶん…全編に渡り、細かな言い回しの修正があるとは思いますが、極端にはイメージを損なう行為ではないので、問題なしかと。また、バニーマニロウが歌う「愛に生きる二人」の歌詞に対訳字幕が出ますけど、DVDのは終始、画面下に出ていますが、Blu-rayは黄文字のクレジットに被さる箇所は、訳詞を左右に切り替え出す気配りがありました。

ジャケットのレイアウトは、フロントもバックもほぼDVDの柄を踏襲しており、デザイン的な変化はありませんが、レーベルのみ違い、DVDは絵柄でしたが、Blu-rayは青地に白抜きの文字だけで素っ気なく、簡易的にすぎますね。

それに、何と言っても地上波放映時の日本語吹替え音声が未収録な点が残念きわまりない。旧レビューでも私自身が言及していますけど、吹替え音声入りでのBlu-ray化を望んでいたので、仕様面では画質向上以外では「まんま」に近いので、もうちょっと日本市場での消費者の要望に添った製品作りに労力をかけてほしかったですね。

それから余談ですが、グロリアがヒッチハイクで同乗させたスコットと待ち合わせた映画館で上映されている「KILLERS WALK AMONG US」と「THIS GUN IS MINE」は共に架空の作品のようで、検索しても該当作品は有りませんが、THIS GUN〜の方は、一瞬映るポスター画も含め、1951年のアラン・ラッド主演の「対決」の一場面を使用しているみたいですね。

1979年1月に大阪で鑑賞

当時は親戚の人にもらった御年玉を資金に冬休み中(もしくは日曜日)に一人で繁華街(自分家からは難波が一番近かった)に出かけ正月映画を観に行くのが年始の贅沢で、77年頃から80年初頭まで続けてました。

それまでは見に行っても「1本だけ」でしたが、本作を見た時は初めてハシゴ鑑賞しました。ま、実際はその前に親に連れて行ってもらい短編含む数本立て興行(東宝チャンピオン祭りとか)のや別々の映画館で二本続けての鑑賞経験はあるにはあるのですが、お年玉とはいえ「自分のお金」で、一人で1日に二回も映画館に行くなんてのは贅沢中の贅沢だったので、なんか変に緊張していて、誰も注目しちゃいないのに「僕は1日に二回も映画館で映画観るんだぞ」と、意味のない「誇り」も感じていたような記憶も残っていますね。

だからか「ファール・プレイ」は道頓堀ピカデリー(後の浪花座2)、「ピンク・パンサー4」は千日前セントラルで鑑賞したこともはっきりと覚えています。朝イチにファール〜で、その面白さの高揚感に後押しされるように勢いでピンク〜の連続鑑賞だった。但し「ピンク・パンサー4」はイマイチでしたケドね。

それでも当時、なぜ本作を鑑賞しようと決断したのかの理由が思い出せずで、主演の御二方ゴールディ・ホーンもチェビー・チェイスも当時は知らない俳優だったし、事前にどのような情報を得たのか?思い出せないけど、未知の映画をよくぞ観に行く気になったもんだ、と。その決定を誉めてやりたい気分です。

ピンク〜は「2」を映画館へ観に行ったし、「3」も(たぶん)テレビで見ていて馴染んでいて、「4」を観るのに躊躇もなかったからね。

で、初鑑賞で強烈に印象に残ったのが、陰謀団の一人、ホワイティー・ジャクソン(劇場の字幕は「白子のジャクソン」だったけど)で、(後々に知ったけど)なんか遺伝子の突然変異で色素が形成されず、眼球や体毛が真っ白になる症状らしいけど、当時子供だった自分にはそんな難しいことなんて一切関係なく、(症状を患ってらっしゃる方々には失礼な物言いだけれど…)ほとんど「仮面ライダー」に登場する怪人同等に見ていて、容姿だけでスッゲー!カッコいい!と思って、興奮気味に見てしまってましたね。

他にも「顔に傷がある男」は後々の「バタリアン」で白髪で登場する葬儀場(?)経営者として姿を見せた時は、すぐに「あ、ファール・プレイの人」と分かりましたし(ドン・カルファ氏)、初見の時は注視せずに流してしまったケド、再見して気づいたことだとチェビー・チェイスの相棒が「ランボー」の偏見保安官役のブライアン・デネヒー氏だとか、アパートの階下の管理人が「ロッキー」のコーチ、ミッキー役ことバージェス・メレディス氏だとか知ることになりましたしね。ダドリー・ムーア氏も後々「ミスター・アーサー」など主演作が公開されるなんて当時は思いもしませんでしたから。

それに爺さんと婆さんが奇声を発しつつ取っ組み合いする場面、乗っ取った送迎車の後部座席に座っていた日本人観光客の意外な喜びよう、「小人に気をつけろ」の忠告が招く勘違いによる暴行事件に色情狂のナンパ野郎の巻き込まれ具合の可笑しさとか…なぜか観ることにした映画でしたけれど、大笑いして劇場を後に出来たのはホントに良かったです。

そろそろ権利を有している会社からは、地上波の日本語吹替え音声を完備したBlu-rayの発売を是非実現してほしいもんです。私の記憶のかぎりでは、監禁された主人公が脱出する場面で、監禁場所の別階で言葉合わせのボードゲームをしている二人の老女の場面は、地上波放映では丸々カットされていたから、吹替え音声が収録されても「英語×日本語字幕」になってしまうはず。

「顔に傷がある男」はコマーシャルの人

1977~78にアメリカ留学をしていて、そのころテレビからコマーシャルの音楽が流れてきて聞いたことがあることに気が付きました。「プラプラフィスフィス オーワタリリーフイティイズ」お口をゆすいできれいにするお薬のコマーシャルだったような気がします。その楽しそうな音楽からの鏡の後ろには殺人鬼が・・・その男が「顔に傷がある男」でコマーシャルに出ていた人だったのでびっくり。
あと劇中劇のオペラが歌舞伎顔の俳優の「ミカド」だったり、カーチェイスに巻き込まれたのがジャルパックのバッグを持った日本人の老夫婦だったり何かと日本が茶化されている感じもあります。決して嫌じゃないのですが、ちょっと気になります。

 

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ゆう

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