『プライベート・ベンジャミン』(Private Benjamin)は、1980年のアメリカのコメディ映画。アメリカ陸軍を舞台としたコメディ映画です。「プライベート」は「兵卒」(=最下級の兵士)の意味で「私生活」ではありません。
あらすじ
裕福で恵まれた環境で育った28歳のユダヤ人女性ジュディ・ベンジャミンの夢は「高度な専門職の男性と結婚する」ことだったが、新夫のイェール・グッドマンが新婚初夜に腹上死してしまい、打ちのめされている。精神的に不安定となったジュディは、ラジオの視聴者電話番組で自分の話をし、別の電話をかけてきていた陸軍の新兵募集担当者であるジェームズ・バラード一等軍曹と出会い、軍隊での生活が彼女が求める「家族」を提供してくれると信じてしまった。彼はまた、軍務をスパ休暇に例えて気分転換みたいなものだと言っていたのだが、基礎訓練を行うビロクシ基地に到着したジュディは頭をガツンと殴られた感じとなり、バラード一等軍曹が彼女を騙したことを思い知らされる。彼女は直ちに辞めたいと思ったが、バラードの説明とは反対に辞めることは出来ないと知って驚いた。
陸軍の規則とドリーン・ルイス大尉及び練兵軍曹のL.C. ロスの徹底したダメ出しにジュディの不満は高まる。しかし、彼女を探し回ったうえ、家に連れて帰ろうとビロクシ基地に来た両親が、ジュディの入隊は自分たちを「罰した」ことになると彼女を叱ったことから、ジュディはそのまま残って基礎訓練を終える決心をする。基礎訓練の最後に実施された模擬戦争演習では、ジュディの訓練小隊の女性隊員が敵側の中隊の男性将校(この将校はルイス大尉とも関係していた)との情事を発覚させ、敵側のリーダーを人質に取ることによりジュディたちの勝利に終わった。基礎訓練を終えると、ジュディと仲間たちは休暇を取りニューオーリンズで週末を過ごし、医学会議のためにニューオーリンズ来ていたフランス人医師のアンリ・トレモントと出会う。短いロマンスの後、アンリはパリに戻り、ジュディはエリート空挺部隊である「ソーンバーズ」での訓練を開始する。
ジュディは、部隊の指揮官であるソーンブッシュ大佐が彼女に魅力を感じたため、空挺部隊に選ばれたことにすぐに気づいた。他の訓練生が飛行機からパラシュートで飛び出した後、大佐は彼女を性的に暴行しようとした。ジュディが抵抗して飛行機から飛び出すと、大佐はジュディを出来る限り早くビロクシ基地から異動させようとする。ジュディはグリーンランドやグアムや沖縄での勤務を拒否し、ベルギーにあるNATO本部への配属を勝ち取り、パリに行きアンリと再会する。彼は結婚を申し込み、彼女はそれを受け入れるが、同じくNATO本部勤務となっていたルイス大尉がアンリが共産主義者であることを知り、ジュディは軍隊か恋愛かの選択を迫られる。
彼女がアンリを選んで婚約した後、彼の子供っぽくて支配的な本性が明らかになる。彼はジュディを「作り直そうと」し、何世紀も続く実家を守るための婚前契約書に署名するよう要請する。最後に、アンリがメイドと寝ており、しかも元ガールフレンドのクレアを忘れられていないことが明らかになった時、ジュディは心変わりする。結婚式の日、式の最中に、彼女は自分が重大な間違いを犯しかかっていることに気づいた。ジュディはイディッシュ語の罵り言葉と共にアンリに平手打ちをして、祭壇の前から去る。ジュディーは新たに手に入れた自由に力を貰い、これから起こることにワクワクしながら未知の世界へと向かうのだった。
登場人物
ジュディ・ベンジャミン
裕福で恵まれた環境で育った28歳のユダヤ人女性ジュディ・ベンジャミンの夢は「高度な専門職の男性と結婚する」ことだったが、新夫のイェール・グッドマンが新婚初夜に腹上死してしまった。精神的に不安定となったジュディは、陸軍の新兵募集担当者であるジム・バラード一等軍曹と出会い、陸軍に入隊することになった。(ゴールディ・ホーン)
アンリ・ドレモント フランス人医師
ジュディの3度目の結婚相手だが女癖が悪い。ジュディは休暇中に医学会議のためにニューオーリンズ来ていたフランス人医師のアンリ・トレモントと出会う。やがてアンリと結ばれるが、結婚式の最中に、彼女は自分が重大な間違いを犯しかかっていることに気づき逃げ出す。(アーマンド・アサンテ)
ドリーン・ルイス大尉 訓練担当の女性教官
ジュディたちの新入隊した兵隊を訓練する担当の女性兵士。A中隊の5年目のベテラン。B中隊は新鋭のウールドリッチ大尉・練兵軍曹のL.C. ロスとともにジュディたちを徹底的にしごいた。(アイリーン・ブレナン)
ジム・バラード 新兵募集担当 陸軍軍曹
陸軍の新兵募集担当者であるジム・バラード軍曹。彼はジュディに軍務をスパ休暇に例えて気分転換みたいなものだと言っていたのだが、それは入隊させるための騙しだった。(ハリー・ディーン・スタントン)
テディ・ベンジャミン ジュディの父親
ジュディの父親。ジュディを愛しているが、言葉のかけ違いで喧嘩をしてしまう。(サム・ワナメイカー)
メアリー・ルー・グラス 陸軍の同期
ジュディの陸軍の同期の仲間。喧嘩相手だが仲直りする。(メアリー・ケイ・プレイス)
イエール・グッドマン 2度目の夫
ジュディの新夫。ジュディの二度目の夫だが、新婚初夜に腹上死してしまう。(アルバート・ブルックス)
ソーンブッシュ大佐 空挺部隊司令官
空挺部隊の指揮官であるソーンブッシュ大佐がジュディに魅力を感じたため、自分の部隊に選んだ。他の訓練生が飛行機からパラシュートで飛び出した後、大佐は彼女を性的に暴行しようとした。ジュディが抵抗して飛行機から飛び出すと、大佐はジュディを出来る限り早くビロクシ基地から異動させようとする。(ロバート・ウェッバー)
ラーミー中尉 NATO本部
ベルギーにあるNATO本部でのジュディの上司。トルコ人。ジュディのトルコ語より中尉の英語の方が上手。(Kopi Sotiropulos?)
感想
ゴールディ・ホーンさん大活躍
ゴールディ・ホーンさんと言えばとびきりキュートなコメディエンヌ。この映画でもきっと素敵な彼女を観れる筈、とAmazonのサイトで購入し、開封してギョッとしました。見本の小さなジャケ写では分かりませんでしたが、実際のジャケ写のゴールディ・ホーンさんは目の回りに痣とくま、口をへの字に肌もボロボロ、斜め上を見つめて苦渋をこらえてる様子に楽しいコメディじゃないの!?と心配になりました。しかし本編が始まると凄く可愛らしい花嫁姿のゴールディ・ホーンさん。陽気に騒ぐ人々。しかし夫は初夜で死んでしまい、悲しむ様子に切なくなりました。しかしやはりコメディエンヌ、どこかコミカルです。そして美味しい話しに騙され軍隊に入隊。しかしお嬢様には地獄の始まりでした…。とは言ってもこれはホラーではなくコメディ。軍隊でしごかれるもののどうやらジャケ写は誇張だったようで、薔薇色の頬でやはりキュートなゴールディ・ホーンさんでした。主演女優だけでなく、製作総指揮、脚本、編集にまで携わったそうで大活躍ですね。ラスト、結婚式での決断は壮快。甘やかされて育ったお嬢様がすっかり自立して颯爽と去っていくウェディングドレス姿は清々しかったです。ゴールディ・ホーンさんのファンなら購入して損はありませんよ、きっと。
いい意味で期待を裏切られました
笑える映画が見たいと思いちょっと不気味なジャケット写真にもめけず、このDVDを購入したのですが、いい意味で期待を裏切られました。
もちろん笑いの場面もそれなりにあります。(コメディだから当然か)でもそれ以上にこの作品の中心をなしているのは、一人の女性が両親や夫、恋人そして軍隊という周囲の庇護から自立していく過程です。
最初は世間知らずのお嬢様がストーリーが進むにつれ、自分の意思をもつ素敵でしたたかな女性に成長していく姿に感動させられました。自分の心に正直に、先の見える安穏な未来を捨て、自分の道を歩き去っていくラストシーンは印象的です。
女性にお勧めしたい映画です。お馬鹿なコメディを期待していた、お馬鹿な男の私からみるとマイナス星一つ。でももしあなたが女怡?でかつ自立したい、自立したいんだ!!って思っている方なら、きっと大満足していただけると思います。
ちなみに、主役のゴールディ・ホーンはジャケットの写真から考えていたよりもはるかにキュートでした。(最初画面に出てきたときは違う人かと思った!)
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